【ご注意】 本記事は情報の提供を目的としており、特定の投資商品を勧誘するものではありません。投資の結果については一切の責任を負いかねます。投資は自己責任でお願いいたします。
2025年度の株式市場は、多くの投資家にとって「分散投資」の重要性を再認識させる1年となりました。長年、最強の指数として君臨してきた米国株指数「S&P500」を抑え、全世界株式(通称:オルカン)が優れたパフォーマンスを記録したのです。
なぜこのような逆転現象が起きたのか? 3つの大きな要因から振り返ります。
短期的には市場は投票機だが、長期的には計量器である。
— ベンジャミン・グレアム
目次
1. 米国テック株の「期待」と「現実」の調整
2024年まで市場を牽引したのは、間違いなくAI(人工知能)への期待でした。しかし、2025年度に入ると投資家の関心は「AIがどれだけ利益を生んでいるか」という実利へとシフトしました。
S&P500の時価総額上位を占める巨大テック企業群が、予想を上回る利益成長を示せなかったことで、米国市場全体に「一服感」が出たことが、オルカンとの明暗を分ける一因となりました。
2. 日本株・欧州株・新興国の躍進
オルカンがS&P500を上回った最大の功労者は、米国以外の地域です。特に以下の動きが顕著でした。
- 日本市場: コーポレートガバナンス改革の浸透により、世界中から「割安な優良株」として資金が流入。
- 欧州市場: エネルギー問題の沈静化と経済刺激策により、製造業を中心に堅調なリターンを記録。
- 新興国: インドをはじめとする高成長国が、世界経済の成長エンジンとして存在感を発揮。
米国が停滞する中で、これら4割の「米国以外」がポートフォリオ全体を強力に支えたのです。
3. 政治的・地政学的リスクの分散
2025年は、米国の新政権による関税政策や、貿易摩擦の懸念がたびたび報じられました。米国株は政策の影響をダイレクトに受けやすい一方で、全世界に投資するオルカンは、特定の国の政治リスクを中和することができました。為替の変動に対しても、多通貨に分散している強みが発揮されました。
干し草の山から針を探すな。干し草の山を丸ごと買いなさい。
— ジョン・ボーグル
まとめ:分散投資の真価
2025年度の結果は、「どの地域が勝つかを予測することの難しさ」を教えてくれました。オルカンの勝利は、特定の国に賭けるのではなく、世界経済全体の成長を信じる姿勢が報われた結果と言えるでしょう。
この記事のポイント
- 米国テック株の成長鈍化がS&P500の重石に。
- 日本や欧州など、米国以外の市場が予想外の好調を維持。
- 政治・為替リスクに対して「分散」が有効に機能。
- 投資の基本は、一時の流行に流されず航路を守ること。


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