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「新NISAも始まったし、そろそろ個別株にも挑戦してみたい。でも、画面を開くと知らない言葉ばかりで何から手をつけていいか分からない……」
そんな悩みを持つ投資初心者の方は少なくありません。株式投資の世界は、専門用語という「独自の言語」で溢れています。しかし、安心してください。全ての言葉を暗記する必要はありません。
今回は、投資のニュースや企業の決算書を読み解くために、これだけは押さえておきたい「最重要用語」を厳選して解説します。この記事が、あなたの投資という長い旅を支える「地図」になれば幸いです。
株式投資にはリスクが伴います。本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。
目次
1. 私たちが株を持つ「目的」:インカムゲインと優待
まずは、投資をすることで得られる「見返り」についての用語です。ここを理解すると、投資のモチベーションが明確になります。
配当金(Dividend)と配当利回り
配当金は、企業が稼いだ利益の一部を株主にキャッシュで還元するものです。銀行に預けてもほとんど利息がつかない今の時代、多くの投資家がこの「配当」を重視しています。
ここで重要なのが「配当利回り」です。「1株あたりの配当金 ÷ 購入株価」で計算され、その株を持っていることで年間何%の現金が戻ってくるかを示します。
「寝ている間にお金が入ってくる仕組みを作らなければ、あなたは死ぬまで働くことになるだろう。」
—— ウォーレン・バフェット
株主優待
日本市場特有の魅力がこの「株主優待」です。自社製品、食事券、クオカードなど、企業から届く「贈り物」は、投資を身近に感じる素晴らしいきっかけになります。ただし、優待内容だけに目を奪われず、業績が悪化して「優待廃止」になるリスクも頭の片隅に置いておく必要があります。
2. その株は「お買い得」か?:3つの健康診断指標
次に、今の株価が割安なのか割高なのかを判断するための指標です。これをマスターすると、「高値掴み」を防ぐことができます。
PER(株価収益率)
PERは、その会社の「利益」に対して株価が何倍まで買われているかを示します。一般的に15倍が目安とされますが、成長期待が高い企業ほどこの数字は大きくなる傾向があります。「みんながどれだけ期待しているか」の温度計のようなものです。
PBR(株価純資産倍率)
こちらは「資産」に対する指標です。もし会社が今日解散したとしたら、株主にいくら残るか?という価値に対して、今の株価がどう評価されているかを見ます。PBR1倍を割っている状態は、「会社を解散して資産を分けた方がマシ」というほどの超割安状態と言えます。
ROE(自己資本利益率)
「投資家から集めたお金を、いかに効率よく利益に変えているか」を示す指標です。いわば、経営者の「稼ぐセンス」を数値化したもの。一般的に10%を超えると優良企業と呼ばれます。
「短期的には、市場は人気投票機にすぎないが、長期的には、市場は計量器である。」
—— ベンジャミン・グレアム
この言葉通り、一時的なブーム(人気投票)に惑わされず、PERやPBRといった指標を使って、その企業の「真の重さ(価値)」を測る姿勢が大切です。
3. 注文の「出し方」で損をしないために
いざ株を買おうとした時、注文ボタンを前にして戸惑うのが「成行」と「指値」の違いです。
成行(なりゆき)注文
「いくらでもいいから今すぐ買いたい!」という注文。メリットは即座に取引が成立することですが、相場の変動が激しい時は、思わぬ高値で買わされてしまうリスクがあります。
指値(さしね)注文
「この価格以下なら買う」と指定する注文。自分の納得する価格で買える反面、指定した価格まで株価が下がってこなければ、いつまで経っても買えないというデメリットがあります。初心者のうちは、まずは指値で計画的に取引することに慣れるのが定石です。
4. 最も重要な守りの技術:「損切り」と「分散」
投資で生き残るために最も必要なのは、利益を出すことではなく「致命傷を負わないこと」です。
損切り(ロスカット)
自分が買った時のシナリオが崩れた際、赤字を認めて売却すること。これを「失敗」と捉えるのではなく、「次のチャンスのために資金を救出する行為」と捉え直すことが、投資家としての第一歩です。
分散投資
「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。一つの業界や一社だけに集中させず、資産を分けることで、万が一の際のダメージを最小限に抑えます。
「重要なのは、君が正しいか間違っているかではない。正しい時にいくら稼ぎ、間違っている時にいくら失うかだ。」
—— ジョージ・ソロス
伝説の投資家ソロスも言うように、損失をコントロールすることこそが、長期的な資産形成の鍵となります。
おわりに:一歩ずつ、「自分の言葉」にしていこう
今日ご紹介した用語は、最初は聞き慣れないかもしれませんが、ニュースを見たり実際に少額から投資を始めたりする中で、徐々に自分の実感を伴った「生きた言葉」に変わっていきます。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずはPERを見て「この会社は期待されているんだな」と感じたり、配当金を受け取って「これがインカムゲインか」と実感したりするところから始めてみてください。
投資は、世界経済や社会の仕組みを学ぶ最高の教科書でもあります。一緒に少しずつ、楽しみながら歩んでいきましょう。


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