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新NISA制度が定着し、投資が当たり前になった2026年。SNSやYouTubeを開けば、「インデックス投資はもう古い」「これからはAI特化型だ」といった極端な意見が飛び交っています。
その中で、多くの投資家が頭を悩ませる究極の選択。それが、「ナスダック100(NASDAQ100)」と「FANG+(ファングプラス)」のどちらを選ぶべきか、という問題です。
「成長性の高いハイテク株に投資したい」という目的は同じ。しかし、その中身は似て非なるものです。今日は、この2つのインデックスを徹底比較し、多くの人が抱く「両方持ち」の是非についても、私なりの答えを出していきたいと思います。
【投資は自己責任でお願いします】
この記事は特定の銘柄の推奨を目的としたものではありません。投資判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度に基づいて慎重に行ってください。
目次
1. 「精鋭100人」か「怪物10人」か。
まず、両者の本質的な違いを理解しましょう。
ナスダック100:ハイテク界のオールスター軍団
ナスダック市場に上場している金融セクターを除く時価総額上位100社で構成されます。時価総額加重平均(時価総額が大きい企業の割合を高くする)を採用しているため、MicrosoftやAppleの動きに左右されやすいものの、100社に分散されているという「安心感」があります。
FANG+:世界を変える「十傑」への集中投資
こちらはさらに尖っています。Facebook(Meta)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の「FANG」に、NVIDIA、Apple、Microsoft、テスラなどを加えた、現代の経済を支配する「たった10銘柄」にほぼ均等に投資します。いわば、ドリームチーム中のドリームチームです。
ここで、投資の神様ウォーレン・バフェットの言葉を借りてみましょう。
「ワイド・ディバーシフィケーション(広範な分散)が必要なのは、投資家が何をやっているか分かっていない時だけだ」
バフェットの理論で言えば、今のIT革命がどこに向かっているかを明確に確信しているなら、FANG+のような集中投資こそが正解と言えます。しかし、多くの一般投資家にとって、その「確信」が揺らがないかは別の問題です。
2. 「両方買う」という選択は、実は「カレーにルー」を追加するようなもの
もっとも多い質問がこれです。「決められないから、半分ずつ買ってもいいですか?」
結論から言うと、「資産配分の観点からはあまり意味がない」と言わざるを得ません。なぜなら、この2つは「重複」が凄まじいからです。
FANG+に含まれる10銘柄は、ナスダック100においても時価総額上位を占めています。両方を半分ずつ持つということは、単に「ナスダック100を買いながら、さらにその中の上位10社の比率を極端に高めている」状態です。
これを食事に例えるなら、「豪華な幕の内弁当(ナスダック100)を買いながら、さらにおかずのメインであるハンバーグ(FANG+)を単品で注文する」ようなものです。ハンバーグが大好物なら満足度は高いでしょうが、ハンバーグが焦げていた(暴落した)時のダメージは計り知れません。
もし両方を保有したいのであれば、「分散」のためではなく、「特定の巨大銘柄への露出を意図的に強める」という戦略的な意図が必要です。なんとなくの「不安解消」で両方買うのは、管理の手間が増えるだけで、リスクヘッジにはなりにくいのです。
3. 投資家の「性格」から選ぶ判断基準
では、どちらを選べばいいのか。私は「目標金額」ではなく、「自分の性格(メンタル)」で選ぶべきだと考えています。
| タイプ | おすすめ | 心構え |
|---|---|---|
| 慎重派・長期一貫派 | ナスダック100 | 「100社あれば誰かがコケても大丈夫」と思える安心感。 |
| 効率重視・強メンタル派 | FANG+ | 「勝者だけに賭ければいい」という割り切り。 |
ここで、もう一つの投資の名言を思い出してください。ジョン・テンプルトンの言葉です。
「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」
FANG+のような集中投資は、市場が「幸福感」に包まれている時は驚異的なリターンを叩き出します。しかし、ひとたび逆風が吹けば、10銘柄という少なさが仇となり、ナスダック100以上の急落に見舞われます。その時、あなたは平然と買い増しができるでしょうか?
4. 2026年以降の戦略:私ならこうする
もし私がこれから投資を始めるなら、以下のような考え方で組み立てます。
- メイン資産はナスダック100: 10年、20年という長期スパンで考えるなら、銘柄の入れ替えが自動で行われるナスダック100の安定感を土台にします。
- サテライト(スパイス)としてFANG+: 余剰資金の中で、さらにリターンを加速させたい分だけをFANG+に割り当てます。比率としては「ナスダック100:8、FANG+:2」程度が、精神的な平穏を保てる限界かもしれません。
投資で最も大切なのは、「市場に居続けること」です。どんなに優れたインデックスでも、暴落時にパニックで売ってしまえば、そこですべてが終わります。自分が一番「信じ続けられるのはどっちか」を、鏡の中の自分に問いかけてみてください。
5. 結びに代えて
ナスダック100もFANG+も、人類のイノベーションの結晶です。どちらを選んでも、あなたが「世界の成長」に賭けていることに変わりはありません。
大事なのは、隣の誰かがいくら儲けているかではなく、自分自身のゴールに向かって一歩ずつ進むことです。投資の旅は長く、時には険しいものです。でも、正しい知識と少しのユーモアがあれば、きっと乗り越えていけるはずです。


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