ブドウ栽培面積約90万ha、生産量464万klと、生産量ではイタリアとトップを争うが、知名度の高いワインの生産国でもあり、世界一のワイン大国といえます。
フランスでは、EU(ヨーロッパ連合)のワイン法に沿って、一般ワインと地域限定上質ワイン(V.Q.P.R.D.)にワインを分類していますが、さらに、それぞれを二つのクラスに分けています。
一般ワインは、
原産地無記名ワイン(vin de table=ヴァン・ド・ターブル)。
地酒(vin de pays=ヴァン・ド・ベイ)…地名表示が認められている一般ワイン。
V.Q.P.R.D.は、産地限定高級ワイン(略してA.0.V.D.Q.S.)…知名度の高い地酒に相当。
原産地呼称統制ワイン(略してA.0.C.)…有名銘醸地のワイン。
このうち、一般ワインがフランス・ワインの約35%を占めています。残りのワインのうち、ブランデー用が18%、残り約47%がV.Q.PR.D.となりますが、AOVD.Q.S.はわずか1%ほどで、残りの46%がA.0.C.です。A.0.C.に指定された地域は約400あり、これをさらに大別すると10地域となりますが、そのうちの代表的な産地には、次のようなところがあります。
目次
ボルドー(Bordeaux)
ボルドーのワイン産地は、ガロンヌ川とドルドーニュ川の両岸と、この二つの川が合流したジロンド川の両岸に広がっています。フランスの中でも、質、量とも群を抜いて名高い銘醸地です。ボルドー。ワインの中では、なんといっても赤ワインが有名ですが、白ワインも辛口から甘口まで揃い、どのワインも単一のブドウ品種からつくるのではなく、複数のブドウ品種を使い、「混醸」をするのがボルドー・ワインの特徴です。
メドック地区
赤ワインの産地で、カベルネ・ソーヴィニヨン種を主体とした独特の芳香を持った、深みのある味わいのワインがつくられています。中でもメドック地区南部、ボルドー市寄りのオー・メドック(HautM6doc)には、マルゴー(Margaux)、ムーリス(Moulis)、リストラック(Listrac)、サンジュリアン(St‐Julien)、ポーイヤック(Pauillac)、サンテステフ(St‐Est6phe)などの著名な村があり、ここから生まれるワインは、その優雅な特性から「ワインの女王」とうたわれ、世界中の人々から愛されています。
グラーヴ(Graves)地区
ボルドー市の南に位置し、赤自ほぼFnl量っくられています。赤ワインは、カベルネ。フラン種の上ヒ率が高く、メドックに比べ口当たりがソフトです。白ワインは、ソーヴィニヨン・ブラン種とセミヨン種がブレンドされ、近年は辛口白ワインの比率が高くなっています。グラーヴという地名は、その土壌に由来し、小石と砂利(グラーブ)の多い土壌を特徴としているところからつけられました。
サンテミリオン(St‐Emilion)地区
ドルドーニュ川右岸に位置し、メルロ種を主体に、ソフトでビロードのような口当たりの赤ワインがつくられています。
ポムロール(Pomerol)地区
サンテミリオンの西に隣接し、ルビー色の芳醇なコクを持った赤ワインを産しています。やはリメルロ種の比率が高い。
ソーテルヌ(Sauternes)地区
甘口白ワインの産地で、セミヨン種とソーヴィニヨン・ブラン種による貴腐ワインでつくられています。黄金色で甘美なワインで、隣接するバルサック(Barsac)でも同様の甘口白ワインがつくられています。
アントル・ドゥー・メール(Entre‐deux‐Mers)地区
アントル・ドゥー・メールとは、「二つの海に挟まれた」という意味で、ドルドーニュ川とガロンヌ川に挟まれたところから名がつきました。辛口で、フレッシュですっきりとした白ワインがつくられています。
ブルゴーニュ(Bourgogne)
ボルドーとともにフランスを代表するワイン産地ですが、量的にはボルドーの半分ほどで、しかもその2/3が南部のボジョレーでつくられている若いタイプのワインで占められています。
ブドウ品種は、ほとんどの白ワインがシャルドネ種から、赤ワインは北部はピノ・ノワール種、南部はガメ種からつくられています。
ブルゴーニュの赤ワインは、豊かな酸味に恵まれ、単一品種からくる芳醇な香りを持ち、白ワインは独特の芳香と腰の強さで人気を得ています。
ブルゴーニュのワイン生産地区は、大きく次のように分けられています。
シャブリ(Chablis)地区
シャルドネ種からつくられ、香り豊かな、やや酸味のある辛日の白ワインの産地です。生の魚介類との相性のよさで人気があります。
コート・ド・ニュイ(COtedeNuits)地区
ピノ・ノワール種からつくられている赤ワインがほとんどを占めます。腰が強く、よく熟したブドウからつくられていますワインは、ビロードのような口当たりとなります。著名なブドウ畑が、グラン・クリュ街道に沿って点在しています。
コート・ド・ボーヌ(C6tedeBeaune)地区
優雅で豊かな香りを持つ赤ワインが8割を占めますが、残りの2割の白ワインが際だっていて、辛口白ワインとしては、世界最高の評価を得ています。
コート・シャロネーズ(C6teChalonnaise)地区
赤ワインのメルキュレー、ジヴリー、白ワインのリュリー、モンタニーが有名で、価格もブルゴーニュとしては手ごろで、コート・ド・ボーヌの普及版です。
マコネー(Maconnais)地区
赤ワインも生産していますが、圧倒的に白ワインの方が生産量も多く、よく知られています。とくに、マコン・ヴィラージュや南部のフュイッセ村など5つの村でつくられています白ワインは、フルーティーでドライで、しっかりとした飲み口で好評です。
ボジョレー(Beaujolais)地区
ガメ種からつくられ、冷やして飲む若々しい赤ワインの大量生産地です。とくに、毎年11月の第3木曜日から出荷される新酒「ヌーボー」は日本でも染みの深いワインです。
ロワール(Loire)
フランス第1の大河、ロワール川流域に広がるワイン産地で、辛口白ワインのミュスカデ(Muscadet)、ロゼ。ワインのアンジュ・ロゼ、カベルネ・フランからつくられています軽いタイプの赤ワインのシノン(Chinon)、スパイシーな香りを持つ辛口白ワインのサンセール(Sancerre)、プーイィ・フュメなどが知られています。
アルザス
フランス北東部のライン川を挟んでドイツとの国境に接する位置にありますのがありますザスです。ここでは、ドイツと同じようなブドウ品種を使いながら.ドイツ。ワインとはまた別のタイプの辛日の白ワインをつくっています。この地方のワインは、フランスの他の産地と違って、ブドウの品種名がワイン名となっています。中でもドイツの高級白ワイン用品種として有名なリースリングでつくられていますワインは、すばらしいブーケと適度の酸味を持ち、調和の取れたワインとして知られています。
シャンパーニュ(Champagne)
フランスのブドウ栽培地としては最北に位置し、スパークリング・ワインの代表といえますシャンパンの産地です。黒ブドウのピノ・ノワール、ピノ・ムーニエ、自ブドウのシャルドネからつくられていますシャンパンは、発泡性をもたせるために、ビンの中で2次発酵を行ない、それによって生じた炭酸ガスをビンの中に封じ込める方法でつくられ、甘口(Doux)から辛口(Brut)まです。シャンパンは、この泡を楽しみながら飲むワインなので、グラスもこの泡を楽しめるフルート型のシャンパン・グラスを使いたいです。
コート・デュ・ローヌ
ローヌ川沿いに、リヨン市の南からアヴィニョン市の辺りまで南北に広がり、ワイン産地は大きく南北二つに分かれます。北部は、ローヌ川の小高い丘陵地沿いにワイン産地が広がり、ヴィオニエ種、シラー種の赤ワインは重厚な性格の色の濃い、厚みのあるワインとなります。
白ワインは、ルーサンヌ種、マルサンヌ種などからlFFみのある白ワインがつくられています。代表的なワインとしては、コート・ロティ(COteRotie)やエルミタージュ(Hermitage)などの赤と、白ではコンドリュー(Condrieu)があります。
南部では、グルナーシュ種を中心に、シラー種、ムールヴェルド種など数種の黒ブドウが植えられ、赤ワインではありますコール度が高く、力強くコクのあるシャトーヌフ・デュ・パープ(Chateauneuf‐du‐Pape)、ロゼ・ワインではバランスの取れた辛回のタヴェル・ロゼ(TavelRos6)が有名。
さらに、ミュスカを使った甘回のボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes‐de‐Venise)などがつくられています。
プロヴァンス(Provence)
マルセイユの東に位置するプロヴアンス地方のワインは、バカンス気分でカジュありますに飲みたくなりますようなロゼ・ワインを中心に生産していますが、近年品質的にも大きく向上しています。代表的な地区としては、バンドール(Bandol)、カシス(Cassis)、ベレ(Bellet)、パレット(Palette)などが古くから知られています。
南フランス他
南フランスのラングドック(Languedoc)、ルーションでは、フランス。ワインの40%近くが生産され、日常手軽に飲める赤ワインを大量につくっています。この他、ボルドーの東からピレネー山脈にかけてのフランス南西部では、カオール(Cahors)の赤ワインと、ベルジュラック(Bergerac)の赤、白ワインが、また、フランス東部の国境沿いには、黄色ワイン(ヴァン・ジョーヌ、Vinjaune)を産するジュラ(Jura)や、ワインのサヴォアの産地があります。
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