映画化もした!感動して泣ける小説を紹介します!

小説
geralt / Pixabay

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名作を探す場合のひとつの指標として映画化というものがあります。確かに映画化されたからといって自分にとって面白い作品とは断言できません。ただし少なくとも数多くの人達が面白いと絶賛したからこその映画化であり、数多くの人が感動したからからこその映画化なのです。なので今回は名作を探す為に映画化というキーワードをテーマに記事を書いていきたいと思います。この記事を読んで、ひとつでも自分に合う面白い作品が見つけられれば幸いです。では始めていきます。

目次

きみの名は。(新海誠著、スニーカー文庫)

あらすじ……、東京に暮らす主人公の瀧。彼はどこにでもいる男子高校生だったが、夢を見ることをきっかけに三葉という女子高生と入れ替わるようになる。三葉が暮らすのは瀧とは対照的に田舎の女子高生で、瀧は慣れない女子の体、経験した事のない田舎暮らしに戸惑いながらも少しずつ適応していく。その中で瀧は三葉の事をもっと知りたいと願う。しかし周りは普段と違う三葉に訝しみ始める。

言わずと知れた新海誠監督長編アニメーション映画『君の名は。』の小説版。本作は世界を更に深く掘り下げます。感動作品と言ってこの作品をあげずにしてなにをあげればいいのか分からないとさえ言えます。2016年最も読みたい小説ランキング堂々の入賞は納得してうなずくしかないほどの出来です。

あとがきに書いてありますが、映画が三人称で進むのに対して小説版は瀧と三葉の一人称で書かれています。一般的に一人称とは対象になる人物をより深く掘り下げる事ができる手法です。そういった意味でも映画では語られなかった瀧や三葉の人物像をより深く理解できる仕上がりになっています。映画を見て感動したけど小説は読んだ事がないといった方は是非一度読んでみては。

ちょっと今から仕事やめてくる(北川恵海著、メディアワークス文庫)

あらすじ……、『この優しい物語をすべての働く人たちへ』と銘打たれた名作。ブラック企業で働く主人公の隆。彼は精神を摩耗して遂に無意識ながらも線路に飛び込もうとしてしまう。そんな隆を救ったのは「ヤマモト」と名乗る男。彼は隆の同級生だと告げる。

同級生だと知った隆はいつしかヤマモトに心を開いていくが、本物の同級生は海外滞在中だという事を知る。では何故赤の他人であるヤマモトと名乗った自称同級生はここまで自分を気にかけてくれるのか。気になった隆はネットで検索する。ヒットしたのは3年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった。

『自分の命は自分と自分を大切に思ってくれるひとたちのためにある』。これは作中の言葉ですが、とても重い言葉でこの箇所で泣く人は沢山いるようです。自殺をしてなにが残るのか。それは悲しみだけ。自殺してしまった本人は死んでしまってその悲しみを決して認識する事はできませんが、死ぬ前に想像はできるはずです。

自分が大切だと思っている人達が悲しみくれ、「なにかしてあげられる事はなかったのか」と後悔し続ける場面を。そういった事を色々考えさせられる深い作品であります。もちろん説教臭さなどなく単純に感動できるという意味でもこの作品はとても優れいるでしょう。是非ご一読を。

君の膵臓を食べたい(住野よる著、双葉社)

あらすじ……、病院に落ちていた日記を拾う僕。僕は地味で自分の意見を言う事もない人間。自分で自分の事を流れに身を任せる草舟だと思っている。もちろん強い流れには逆らわず流される事もできる。そんな僕が日記を拾ったのだ。

読んではいけないと強く思うが、その時ばかりは違った。つい出来心で日記を読んでしまう。持ち主は偶然にも自分のクラスメート山内桜良。彼女は膵臓を病んでおり余命一年だった。秘密を共有する事で友だちのいない僕は彼女と仲良くなる。僕は彼女から多くの事を学んだ。そして彼女にとって僕はどんな存在になのかを知りたくなった時、彼女はこの世を去っていた。僕は彼女の真意を知る為に彼女の日記を再び読んでしまう……。

作品名から「ホラー小説」なのかなと勘違いされそうですが、中身は「青春物語」であり、とても泣ける作りになっています。終盤の展開はとても激しく頭が真っ白になり、動揺を隠せなくなる事は必至です。主人公の僕は達観したところがあり、彼の静かな振る舞いが余計に涙を誘います。言葉ひとつひとつに力があり、きつく胸を締め付けられるでしょう。そして相手が本当は自分の事をどう思っているのか、表情や仕草だけでは分からないですよね。

大丈夫は本当の大丈夫ではないのかもしれないのです。そばにいて欲しいのサインなのかもしれない。しかしながら桜良は決して弱みを見せない。彼女の中にある苦しみを見せない強さには真の優しさと言わずしてなんというのでしょうか。そんな僕と桜良の悲しき青春物語を是非読んでみて欲しいです。

(重松清著、新潮文庫)

あらすじ……、村内先生は中学の非常勤講師。国語を担当しているのだが、言葉がつっかえて上手く話せないという悩みを抱えていた。しかし村内は教師の仕事には授業よりも大切な事がある。生徒達ひとりひとりの顔を見て、生徒ひとりひとりの悩みを聞いて、生徒ひとりひとりと語り合う事こそ生きる道なのだと。

いじめの加害者になってしまった生徒や父親の自殺に苦しむ生徒、そして家庭を知らずに育った生徒などの後悔や絶望を希望へと導く村内先生。本作は本当に大切な事は一体何なのかを教えてくれる作品です。

阿部寛主演で2008年に映画化され第21回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」出品作品。本作は吃音のある村内先生が奮闘する作品です。生徒に吃音を馬鹿にされてもめげる事なく生徒に全力でぶつかっていく姿はとても感動します。いつの時代も子供達は子供達なりに悩み苦しんでいる。

だからこそ村内先生のような教師が必要なのではないでしょうか。もちろん最後には生徒と村内先生、そして読み手も巻き込み一緒に嬉しくなるのはこの作品の特徴でしょう。とても爽やかな読み口なので空いた時間にでも少しずつ読み進めてはどうでしょう。一度は読んでおきたい作品ではないでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょう。あなたに合う作品はありましたか。映画化作品という事で少々有名な作品ばかり選んでしまった気もしますが、逆に有名だからこそ今まで敬遠してきた方も多いのではないでしょうか。そんな方はこの機会に一度読んでみる事をおすすめします。

きっと涙腺が決壊して感動できる事をお約束します。そんなわけで今回はこれでお終いです。またなにかの機会があればお会いできれば嬉しいです。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。ではまた。草々。

映画化もした!【感動して泣ける小説】を紹介します! 、了。

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