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コルビージャックチーズとは?アメリカのチーズを解説!

Meditations / Pixabay
●チーズ好きなアメリカ人
ナチュラルチーズを使って再加工したチーズをプロセスチーズと呼びます。 このチーズをこよなく愛する国といえば、アメリカです。
酪農面においても食肉牛の生産面においても産出量がもっとも多い国でもあり、チーズの生産量としては世界一です。
アメリカでは肉牛の年間飼養頭数が3822万頭もいます。 また、乳牛飼育頭数を見ますと、年間で930万頭にもなるのです。
その中で、年間413万トンのチーズ産出にもなるアメリカ国内において、作られるチーズなどの種類はほとんどがプロセスチーズかもしくはハード系のチーズです。 やわらかいチーズではなく少し噛み応えのあるまた、保存のきくチーズがもっとも重要度があるのです。
●アメリカのチーズの歴史
コロンブスがアメリカ大陸を発見して以来、次々にヨーロッパ圏から北アメリカへ移民が始まりました。
その移住者の多くはイギリス出身でした。
1600年代中盤ごろです。
開拓地を移動しながら農地や領地を広げていった人々がニューイングランドに移りすむころです。 人々は毎日三食、塩漬けの豚肉やベーコンがメインでした。
徐々に牛の頭数もふえ牛肉が好まれるようになり、コーンビーフとキャベツやジャガイモの煮込みが、ニューイングランドの代表的料理になりました。
それからようやく登場したのが母国のチーズ『チェダー』だったのです。
もともとイギリスでは、1500年代には本格的にチェダーチーズが作られてきましたから、その技法をアメリカで実現させようと試行錯誤していたのです。
●独自のナチュラルチーズ
アメリカでのチェダーの需要は高まり大量に生産することが望まれてきました。 生産工場の設立などを行う必要性があったのです。 この計画は順調にいきチェダーチーズの生産供給は伸びでいきました。
しかし次に別の課題がやってきたのです。 食肉との連携です。 アメリカにおける牛肉の消費量は莫大です。
食文化が一気に変わるアメリカではチェダーの風味や食感を損なわない状態で、新しいチーズが渇望されました。
しかも、肉にあうようにしっとりと水分をのこしながらまろやかなチーズです。
そして誕生したのが『ゴルビー』でした。 牛乳の濃厚さをそのまま封じ込めたチェダーチーズ以上の濃さをもっています。
溶かすことでおいしく食べられる、癖のない『モントレージャック』も製造されました。
ビーフステーキやバーベキューからミンチ肉のハンバーグなど柔らかさやより凝った料理への変化によってチーズも変わったといきました。
またマカロニとあえたマカロニチーズなどはこのゴルビーとチェダーの二つのチーズをつかったアメリカならではの家庭料理です。
当時から簡単に作ることのできる料理として人気がありました。
●ゴルビージャック
ハード系チーズを多く生産することが限界をむかえたころ、1900年代初頭にスイスでプロセスチーズが誕生しました。
ハード系チーズはその本来の特徴がナチュラルチーズという点でいずれ腐ってしまうということがあります。
アメリカへの輸出がいくら機械である船や飛行機でだいぶ早く到着することが可能になったとはいえ保存の限界はありました。
その輸送の問題をクリアーにしたチーズがプロセスチーズだったのです。
また、アメリカのように広大な土地ではその移動にどうしてもトラックが必要です。
トラックの性能を考えたときもやはり市場の流通ではナチュラルチーズには限界があったのです。
自国内での需要性がナチュラルチーズのハード系以上にプロセスチーズという新たな分野へ移りました。
『ゴルビージャック』です。
アメリカオリジナルのナチュラルチーズ『ゴルビー』と『ジャック』を掛け合わせてプロセスチーズにしたのがこのチーズです。
お互いのよさを一つにする。
しかも見た目もインパクトのある黄色と白のまだら模様です。
いまやアメリカイコールゴルビージャックというほどです。
●その他のアメリカチーズ
一気に加速したアメリカのチーズ文化は時を同じくして『クリームチーズ』をも広めました。 ナチュラルチーズ作りも習得していたアメリカでは、フレッシュチーズ作りにも特化してほかの国にはないフレッシュさと濃厚さを追求するために生クリームをふんだんに使いチーズを作ってしまったのです。 出来上がったクリームチーズはニューヨークチーズとしても有名になりました。
缶詰にして液体化したチーズなどや生クリーム搾りのようにパッケージされたチーズもあります。
アメリカはとにかくの量を追求する文化です。
供給が間に合うには大量に作るしかないという考えだからです。 ゆえに、チーズもたくさんの量がつくられてきましたし、種類も一品にこだわらず作られてきました。
実は諸外国で製造ができなくなってしまったナチュラルチーズをわざわざ、製造していた地域の職人を呼び込んで復活させてさえいるのです。
これも細部にこだわらない、とにかくたくさんあるという安心感を追求しているのです。
その結果、あらゆるチーズがこの国で作られているのです。
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