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【無料恋愛短編小説のおすすめ作品】

Nietjuh / Pixabay
恋愛小説というものはホラーやミステリーというジャンルにはない等身大のリアルさがあります。簡単に言うと非日常で生死の境をさ迷う人は日本にはほぼいないでしょうし、連続殺人が起こる町に住んでいる人もまた希です。
その意味で恋愛小説というものは誰にでも経験しうる可能性を……、いや、むしろ誰でも感じるであろう愛しいという気持ちをリアルに描き出したものなのでしょう。それこそが恋愛小説というカテゴリそのものではないでしょうか。
今回はそんな愛おしいという気持ちを書きだした様々な作品を紹介していきます。
●妻を殺してもバレない確率(カクヨム)
今の世の中、全てデータとコンピューター(※スマホも含む)によって簡単に確率を算出できるようになりました。もちろん今作の主人公も確率に固執するんですが、固執する確率がこれまた面白い。家の事情で結婚をさせられた夫が妻を殺してもバレない確率を計算するんです。
もちろん結婚生活を続けていけば様々な事情により、妻を殺してもバレない確率は変動していきます。そして確率の裏に隠されたものはなんなのか。
最後まで読めばきっと愛とはなにかと気づかせてくれる作品です。
●きみの為なら何色だって(エブリスタ)
幼なじみである花咲いちか(はなさき いちか)と高嶺皐月(たかみね さつき)の切なくもドタバタした恋愛模様を書いた作品。こちらの作者様は今作を少女漫画を読むような感覚で読んで欲しいと作品説明に書かれております。その思惑通りなのか、たはまた作者様の才能が成せる業なのか、とてもポップでキュートな恋愛小説に仕上がっております。
貴方は『きみの為なら何色だって』と言えるような恋をしていますか。そんな人が大人になる過程で忘れてゆくピュアな気持ちを思い出させてくれる作品です。
●私の好きな人は(小説家になろう)
主人公真奈美(まなみ)の悲恋物語。ありふれた日常。仲のいい三人組が普段通りの会話を進めます。終始、日常会話で続くのですが、最後の最後で明かされる真奈美の正直な気持ちがとても切ない。私は真奈美の本音を知った時、不覚にも涙しました。 温かい雰囲気で進む前半と中盤。そして急転直下な後半とバランスがいい作品です。
●チョコレート会社の陰謀には騙されへん(エブリスタ)
ピュアな女の子が可愛い作品。時はバレンタインデー。彼女は彼にチョコを渡したいのですが、何故か彼女はチョコレート会社の陰謀と話が大きくします。いわゆるツンデレものなのですが、彼女の台詞がとても面白い。相手役の男の子もなんとなく間が抜けた感じで、お似合いな二人だなと思える作品です。最後まで読むと必ず「お二人さん、幸せになってね」と微笑ましい気分になれると思います。
●ビター(カクヨム)
……ケジメ。それは前に進む為の儀式。恋愛においては連絡先を消す事であったり、物や写真を捨てることだったりと色々ケジメの付け方があります。もちろんビターチョコレートを食べる事だって気持ちを切り換える為のケジメと出来ます。ただし儀式はいつでも苦しく切ないです。でも儀式(それ)を乗り越えれば綺麗さっぱり心の整理がつけられる。笑顔にもなれる。
そして自分を労り、彼らも祝福できる。
そんな誰でも通る失恋の儀式にスポットを当てた作品です。
●Evergreen Breeze(カクヨム)
思い出の場所で待ち受けるとびっきりのサプライズ物語。
…――職場が違う彼。自分と会っていない時、どんな顔で笑い、どんな事を話すのか、気になってしまうのが女心。別に嫉妬するわけではないのでしょうけど楽しそうな彼を想像するとちょっと寂しくなってしまうのもまた切なき女心ではないでしょうか。
今作には女性ならではの共感がぎゅっと凝縮されて詰め込まれています。もちろん共感して読み進めていくと最後の最後でうるっとさせられます。とてもいい作品です。
●まとめ
恋愛小説の世界はとても奧が深いと思います。片思いから悲恋に略奪愛など恋愛という一ジャンルで括るのは正確に言えば多分間違いです。無論、恋愛の形式でカテゴリを語るのまた間違いであり、結局あまりにも細分化出来るので逆に恋愛という出来事を書いたものをすべからく恋愛小説というカテゴライズで一括りにするのやもしれませんね。
ともかく今回はそういった意味での多様性に答えるべく様々な色を持つ作品を集めてみたつもりです。なのでこの記事を参考に新たな恋愛小説との佳き出会いがある事祈ります。では。
無料恋愛短編小説のおすすめ作品、了。
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