セミハードチーズの種類と食べ方を解説!あなたの好みは?

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【セミハードチーズの種類と食べ方を解説!あなたの好みは?】

3dman_eu / Pixabay

●セミハードの特徴

セミハードタイプのチーズは水分を38~46%を残して乳酸菌発酵させたものです。

これにより、硬くなったチーズにありがちな、ぼそぼそした食感や苦みなどはない状態です。

ぼそぼそ感はチーズが常に発酵し続けていることで起こる組織変化なのです。

チーズを加熱することにより、発酵を止めてしまうプロセスチーズであればやわらかさと味がいつまでも続くことになります。

実は、セミハード系ではそのプロセスチーズに近い食感を持っているものが多くあります。

●『ゴーダチーズ』

セミハード系のチーズを作る際に他のチーズと異なる製法点といえば、圧をかけるという点です。 最初の生乳を低温殺菌し30度から32度程度まで下げてからレンネットという仔牛の第四の胃の酵素を添加の為に乳の中にいれます。するとみるみる固まってきて、出来上がった固まりを取り出します。この固まりがカードといい、余分な水分を全て取り除いていきます。 この取り除く作業で、専用のケースに入れながら、圧力をかける、“圧搾”という工程が入るのです。 その力は水分を38~46%程度に保っておくということがセミハードタイプのチーズというわけです。

さてそのタイプのチーズの中で、オランダ生まれのチーズがあります。

『ゴーダチーズ』です。

このチーズのすばらしさは、世界中で愛されている点です。

その大きな理由として、直径35cm×高さ11cm・重さ約12kgというビックサイズが挙げられます。

この大きさは、イタリアの『パルミジャーノ』直径35~45cm、高さ約18~24cm、重さ 24kgに次ぐものです。

ただしパルミジャーノは“ハードチーズ”ですから、使い方は全く異なります。

更にいえば、ゴーダチーズはコストパフォーマンスに優れている点と加工のしやすさという点でも大いに優れていることが上げられます。

熟成をゆっくりとさせるために、大きな円盤型のチーズにたっぷりとロウを塗りコーティングしているのでカットしない限り腐敗しません。

また、プロセスチーズを作るための原料に使われることでも有名です。

特に一般的になじみが深いものとしては、ミックスチーズ、いわゆるカットされた細かなチーズとしてピザやグラタンの上に載せられた料理でよく見られます。 イギリスのハードチーズである白い“チェダーチーズ”とともにミックスされています。

ゴーダチーズの食べ方はそのままはもちろんピザやグラタン、サンドイッチなどが有名です。

●『エメンタールチーズ』

スイスのセミ・ハードタイプといえば、そのすばらしさは単に味やコスト的なものに固執しているばかりではありません。

長年の歴史の中で保存をするという知恵の結晶がなしえた業です。 そのすばらしさを今でも伝えるスイスのチーズといえば、『エメンタール』です。

これは山の中でその放牧と過酷な冬を乗り切る為に作られたチーズです。

広く一般的には今では白ワインを注ぎ込み一緒に煮詰めてつくるチーズフォンデュに使われていることで有名です。

また、漫画やアニメなどでよく目にする穴の開いたチーズとしても馴染みがあります。

製造工程の途中でプロピオン酸菌という酵素を牛乳に添加します。

この菌の作用で発酵時に微量のガスが発生します。 そのガスが気泡をつくり独特の風味とうまみを生みつつ形を成形しているのです。

ウォッシュタイプのように洗うのではないのですが、セミハードは表皮を定期的に拭うという作業がありその際、やはりワインや果汁酒を使うケースがあります。 汚れやカビなどを除去して清潔な状態を保つということが狙いでアルコール除菌です。

●『ルブロション ・ショーム』

ウォッシュタイプの種類に近いフランスのセミ・ハードチーズに『ルブロション ・ショーム』というチーズがあります。

これは作り方に特徴があります。 この製造工程は途中まで他のセミ・ハードチーズと同じで成形、圧搾されます。

ただし、熟成の段階で、塩水を使いチーズの表面をぬぐうという作業が入ってきます。

他のチーズではアルコールですが、こちらは塩水なのです。

このチーズを使った有名な郷土料理といえばじゃがいもとチーズのグラタン「タルティフレット」です。 通常のグラタンはホワイトソースが多いのでしょうが、こちらは生クリームとこのチーズが溶ける具合だけでしあげられます。

●その他のフランスのセミ・ハードチーズ

さて、ウォッシュ作業に近いぬぐう工程があるチーズには、その他『サン・ネクテール』があります。

またフランスには最古のチーズと呼ばれるセミ・ハードチーズもあります。 『ライオル』『カンタル』です。

このチーズは兄弟のような関係でとても種類が似ています。 圧搾したのち、チーズを保管するのですが、その時にチェダリングとよばれるかわった作業を行います。

チェダリングとは出来上がったチーズを一定の時間ごとに天地を逆にし、あるいは置いてある場所を交互に変えていくという作業です。

これをすることにより、チーズ内部にかかる圧力が緩和されて常に同じ方向にかからなくなるのです。

こうすることにより肉質が繊維状になっていくのです。 この作業を行ったがゆえに、イギリスのチェダーチーズの元祖ともいわれています。

●『ステッペン』

ドイツにも優れたセミ・ハードチーズがあります。 モッツアレラというフレッシュチーズに分類されるチーズがありますが、そのチーズをセミハードにしたタイプです。

ステッペンもその一つです。 モッツアレラは普通水牛で作られるのですが此処ドイツでは牛乳が使われています。 そして、製法を同じくして出来上がった状態を“熟成”という流れに組み込ませているのがこのチーズの特徴です。

固めに成形熟成させているのです。

しかし、カットしたものを手で引きちぎるとモッツアレラのようによく伸びます。

ホットサンドとして利用されるのが有名です。

●デンマークのセミ・ハードチーズ

ヨーロッパのチーズはスイス・フランス・イタリアが主要国です。その他の国は比較的近代になってから台頭してきたといわれています。 イギリス、スウェーデン、オランダ、ドイツやスペインといった国はチーズの先進国ではありますが、技法製法を習ってきたのです。 遅れをとってチーズ産出国になった国があります。 デンマークです。

この国は1900年代にセミハードタイプが多く作られてきました。 もちろん他国に学んでです。 その形はオーストラリアやニュージーランドのように四角いものが多いのが特徴です。 スイスのハードタイプ“グリュイエール”を模して作った『サムソー』 ソ連の“ステップチーズ”を模して作った『ダンボー』気泡の穴が開いている『ハヴァティ』や『マリボー』 があります。

どのチーズもサンドイッチにしてよく食されます。

●スペインのセミ・ハードチーズ

マヨネーズ発祥の地で有名なミノルカ島のマオン。 そこで作られているチーズ『マオン』 変わったつくり方といえば、お酒や塩水の代わりに、熟成中にオリーブオイルとパプリカで表面を洗うということです。 特にパプリカで磨いていくせいで、オレンジ色の鮮やかな表皮を持っています。 中身はもちろんきめ細かな黄色みがかったセミハードの色合いです。

アクセント的にサラダや肉料理の上から振り掛けられます。

●イタリアのセミ・ハードチーズ

イタリアといえば『プロボローネ』『カチョカバッロ』などがセミハードで有名です。 特に形がユニークで、ひょうたんのような形状ですから一度は見たことがあるかもしれません。 これは絵的に面白いというばかりではなく、調理する際に熱を加えると糸を引くようにかなり伸びることや食べきりサイズなので扱いやすさもあるのです。

 

パンの上にのせて焼いたものが有名です。

●アメリカのセミ・ハードチーズ

アメリカで有名なチーズといえば『ゴルビージャック』があります。 見た目が他のチーズにはないもので、黄色と白の色合いがまだらになっています。 このチーズの元は『コルビー』と『モントレージャック』からきています。 二つのチーズをより合わせて作った、溶かしながら掛け合わせたチーズなのです。 通常一定以上の温度で溶かしてしまうとプロセスチーズになりますが、このチーズは熟成し続けますからナチュラルチーズの分類に入ります。

さて鮮やかなオレンジをした『ゴルビー』は天然色素のアナトーを使いまるで、イギリスのチェダーチーズのような仕上がりです。

アメリカ人受けするほど濃厚かつコクがありハンバーガーなどにも挟まれる『モントレージャック』は人気の高いセミ・ハードチーズです。

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