中学生におすすめしたい青春小説を紹介!



中学時代というものはとても多感な時期です。そんな青春真っ只中に読んだ小説は大人になってからもずっと心に残るものです。ゆえにこの時期に読んでおきたい小説というものは数多くあります。

その中でも厳選して中学生におすすめな小説を四つ紹介していきましょう。もし気になる作品がありましたら是非お手に取ってご一読を願います。では始めていきましょう。

リズム(森絵部著、角川文庫)

あらすじ……、中学一年生の主人公さゆき。彼女には大好きな従兄弟の真ちゃんがいる。彼は高校に行かず、バイトをしながらバンドマンを目指す夢追い人。そんな真ちゃんの両親が離婚するかもしれないと聞いてしまうさゆき。変化を恐れるさゆき、新たな道を模索する真ちゃん。真ちゃんはさゆきに言う。「自分のリズムを刻め」と。

直木賞作家、森絵部のデビュー作。講談社児童文学賞と椋鳩十児童文学賞を受賞した作品であります。真ちゃんはバンドマンになる為に住み慣れた故郷を離れ、遠く離れた新宿へと行く事となり、さゆきはだんだんと大人になってゆく。

常に「自分はなにがやりたいんだろう」という葛藤を抱え、変化を恐れ、なにも変わらなければいいさえ思う主人公さゆきが、真ちゃんの「自分のリズムを刻め」という言葉によって徐々に成長していく物語。

今作は青春のキラキラした輝きやわくわくドキドキした毎日、そして悩み苦しむ毎日を余す事なく表現しています。もちろん中学生ならば誰もが抱え得る悩みの答えを直球どストレートに読み手の心に刻みつけてくる圧巻のストーリー展開。

表題の「リズム」からも分かるように自分が生きていくペースを気負わず静かに一歩一歩確実に歩めとこの本は教えてくれます。続編として中学三年生になったさゆきと新宿で挫折した真ちゃんの模様を描いた『ゴールドフィッシュ』も出ていますので、併せて読むとより楽しめるのではないでしょうか。

ヒトリコ(額賀澪著、小学館)

あらすじ……、クラスで飼っていた金魚を殺した濡れ衣を着せられる小学五年生の深作日都子。彼女は金魚殺しのえん罪でいじめの対象となってしまう。そのいじめには担任の教師も加担するという壮絶なものになっていく。日都子は誰からも理解を得られず、遂には誰とも関わり合いを持たない「ヒトリコ」として生きてゆく決意をする。

そんな彼女の支えはピアノとキューばあちゃんだけ。中学生になっても止まないいじめ。やがて日都子は高校生となり、金魚の持ち主だった冬季が同じ高校に入学してくる事によって物語は動いてゆく。

額賀澪は2015年に本作で小学館文庫小説賞を受賞し、同年に『屋上のウインドノーツ』で松本清張賞も受賞したという新進気鋭の実力派作家です。肝心の内容はと言えばえん罪によっていじめの対象となった主人公が、いつまでもいじめを受け続ける様はとても理不尽ですが、作品全体に流れる雰囲気からなのか、どこか優しさを感じる仕上げになっています。

お話は日都子が幼稚園児だった頃から始まり、彼女が高校生になるまで四人の登場人物の視点によって書かれていきます。いじめを題材に使っている為に目を覆いたくなるような表現も散見されますが、日都子がだんだんと周囲に心を開いていく様はとても心地よく、中学生という時代を生きる人達にある種のエールようなものを送っています。

小学生の頃よりも中学生になって世界は一気に拡がり、そして自分もまた豊かになっていく。そんな子供達の成長を楽しんで読める娯楽作品ではないでしょうか。

雨の降る日は学校に行かない(相沢沙呼著、集英社)

あらすじ……、中学生のいじめという陰惨な行為をテーマに作者なりの思いを書き綴った優しいお話が六篇入った短編集。第一話目の「ねぇ、卵の殻がついている」ではいじめによってクラスに居場所がないサエとナツという二人の少女を軸にお話は進み、ある日サエが保健室を出て教室に帰ると言いだした。

ナツは仲間に見捨てられた気持ちになってしまう。しかし実はサエの転校が決まっており、いじめに負けていなくなる事を嫌だと考え戦う決意をしたわけです。そんなサエを見てまたナツもまた戦う覚悟を決める。

夢や希望、挫折や悲しみなど様々な思いが渦巻く中学生は大人でもない、かといって子供でもないとそんな曖昧な立場であり、抱える悩みと悩みを解消する為のパワーが溢れている時期でもあります。

そんな学校というある種の職場で戦う中学生達を筆者の筆力で表現豊かに描き出します。この作品集を読む前に注意事項ですが、いじめの描写がとてもリアルで時として読むのが辛く感じるかもしれません。

それでも主人公達に同年代の読者達は共感しており、この作品集を絶大に支持しております。それはひとえに辛い現実を乗り越えた先には希望があるとこの作品集が教えてくれるからでしょう。

最後の最後まで読み切ればきっと希望が見えてくると断言しておきます。明日は輝ける、そんな思いにさせてくれる作品集ではないでしょうか。

きみの友だち(重松清著、新潮社文庫)

あらすじ……、主人公である恵美は事故で足を怪我してしまう。松葉杖がなければ歩けないという体になってしまった。その事を友だちのせいにしてしまい、彼女の周りから友だちが消えていなくなってしまう。

そんな彼女が入院している病室で一緒になったのは内気でいつも下を向いている女の子、由香。恵美はひとりぼっちになったからこそ由香と出会い、そこから二人の物語は始まってゆく。

こちらの作品は10篇からなる短編集です。各々の章の主人公はそれぞれ違いますが、全ての「きみ」は繋がっており、最後の最後で「きみの友だち」へと向かう構成になっています。もちろん10篇全ての章には恵美が登場して「きみ」と拘わっていきます。

そんな本作ですが、どの章にも友だちの大切さが書かれており、特に重い腎臓病を患い同室となった由香と恵美の関係には涙なしには読み進められないでしょう。補足として重松清の他作品『ゼツメツ少年』でも恵美が脇役として登場しており、今作を読んでみて気に入ったならば一読してみるのもまた面白いかもしれません。

まとめ

さて今回は四つの作品を見てきましたが、面白そうな作品はあったでしょうか。中学生くらいの頃には漫画もいいですが、たまには小説を読んで心を豊かにしてみてはどうでしょうか。無論、小説を読むのは勉強などとは考えずに肩の力を抜いて、遊び感覚で小説を楽しんでもらえればと思います。ではまた機会があればお会いしましょう。草々。

中学生におすすめしたい青春小説を紹介! 、了。

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