清酒の歴史・原料・製造・タイプについて元バーテンダーが解説!



清酒の歴史

日本で酒づくりがいつごろから始まったのかは、はっきりとしていませんが、今から約2千年前の弥生時代まで遡ることができるかもしれません。

しかし、酒づくりの記録が文献に登場するのは、紀元前1世紀ごろに編集された『古事記(713)』や『日本書紀(720)』、『幡磨風土記』などで、この時代に中国や朝鮮から「蒸す」という技術が伝わり、日本酒づくりが定着したものと推察されます。

その後、鎌倉時代、室町時代を経て、太平の代であった江戸時代に酒づくりの技術が進歩し、現在の清酒づくりの基礎が確立したといえます。

そして、精米機の改良やホーロータンクの使用、四季醸造設備など、工場の近代化とともに品質の平均化した清酒が多く出回るようになりましました。

さらに、消費者の味覚も戦争中や戦後の混乱期の時代には甘口嗜好であったものが、その後の平和な時代になると辛口嗜好が始まり、1978年以降清酒の辛口化が進んでいます。

また、1992年の級別廃止後は、ブランドを指名して買う消費者が増えました。

さらに、純米酒や吟醸酒などの特定名称酒にこだわる消費者もあらわれ、多様化の流れが現れています。

清酒の原料

清酒の原料は、基本的に米、米こうじ、水。これだけでつくるのが純米酒です。現在、もっとも消費量の多い普通清酒には、醸造用アルコールが添加されており、さらに、ブドウ糖や有機酸などを添加したものもあります。

原料米

一般に、水稲うるち玄米(米飯用の普通の米)と醸造用玄米があります。醸造用玄米は酒造好適米ともいわれ、「山田錦」、「五百万石」、「美山錦」、「雄町」などといった銘柄が知られています。酒造好適米は、一般的に粒が大きく、中心部に心白と呼ばれる不透明な部分があるのが特徴です。

これらの原料米の銘柄は、50%以上使用していれば品種名を表示できるので、有名好適米をアピールしている蔵元も数多くあります。

醸造用アルコール

純米酒、純米吟醸酒以外は、ラベルの原材料のところに「醸造用アルコール」が表示されています。青は、量を増やすために使われていたが、現在では、香りを引き立てたり、保存性を高めたり、あっさり味に仕上げるなどの効果で使われることが多いです。

どの程度使われるかは定かではないが、本醸造と吟醸酒については、「95%のアルコールの重量に換算して、自米の重量の10%以下」の基準があります。

糖類

水飴やブドウ糖のことです。使用したときは「糖類」あるいは、「醸造用糖類」と表示します。

酸味料、調味料

酸味料は、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸で、調味料はアミノ酸、つまリグルタミン酸ナトリウムです。これらは醸造用アルコールで薄まった清酒の味を、本来の清酒らしくするために使われます。

清酒の製造

清酒づくりは、原料米をよく精米することから始まります。

精米歩合は70~45%(われわれが日常食べている飯米は90%ぐらい)で、吟醸酒では60%以下、大吟醸酒は50%以下に精米します。

これをよく洗い、水を十分に吸収させて蒸米をつくります。

蒸米の一部に種麹を撤布し、米麹をつくります。

この米麹と蒸米、純粋培養酵母、水で翫(モト、酒母)を仕込みます。

できあがった断に、水、米麹、放冷した蒸米を、通常3段階に分けて仕込み、もろみをつくります。

清酒が他の醸造酒に比ベアルコール度数が高いのは、この「3段仕込み」と呼ばれる清酒独自の醸造法を取るためです。

もろみの発酵は20~30日で完了します。

これを圧搾したのが生酒(清酒)で、アルコール度数は20度前後です。このときの残り粕が酒粕です。

このあと、生酒(清酒)は図のような工程を経てさまざまなタイプに仕上げられます。

清酒のタイプ

清酒は、次のようなさまざまな名称を冠した、さまざまなタイプの製品に分けられます。ちなみに本醸造クラス以上の清酒は、全体の生産量の約2割で、約8割が普通酒と呼ばれる清酒です。

普通酒

一番身近にある清酒で、醸造用アルコールを添加し、味をととのえた酒です。添加の上限は、使用白米の重量以内とし、値段の安いのも特徴です。

本醸造酒

精米歩合70%以下の自米、米麹、醸造用アルコールを原料にしてつくられるタイプで、醸造用アルコールはもろみの段階で添加されます。

のどごしもよく、飲みやすい酒であり、「本仕込み」「本造り」ともいいます。

「本醸造」のうちでも、精米歩合60%以下、または特別な製造方法(記載義務あり)でつくられ、特に香味や色沢が優れているものは「特別本醸造」と表示されます。

純米酒

白米と米麹、水だけでつくるのが純米酒です。米のもつ香味、色沢が良好なもので、味のやや濃厚なものが多い。

吟醸酒

吟醸とはとくに吟味してつくったという意味です。

精米歩合60%以下の白米と米麹、醸造用アルコールを原料にしてつくられる吟醸酒は、普通の発酵温度より低温でゆっくりと発酵させます。

発酵時の酵母も特別のものをつかう吟醸造りの風味の特徴は、独特のフルーティーな香りと、すっきりとしたなめらかな味わいです。

吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米を原料としたもので、吟醸造り固有の香味や色沢が特によいものは「大吟醸酒」と表示されます。

また、精米歩合60%以下の自米と米麹、水だけで造る吟醸酒は「純米吟醸酒」、精米歩合50%以下の自米と米麹、水だけで造る吟醸酒は「純米大吟醸酒」といい、ともに気品にあふれた吟醸香の酒といえます。

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