【チーズの外皮】堅い皮は食べたら害になる?



チーズの堅い皮は食べたら害になる? ―チーズの外皮―

GerritHorstman / Pixabay

●チーズの外側

ナチュラルチーズが浸透してくるとふと疑問におもうことや突っ込んで聞きたくなること、食べ方に関することなども多くなります。

特にチーズの外側は何なのか?食べられるのか?という質問が多いです。

いきなりナチュラルチーズが店頭に並び始めた昨今、スーパーやデパートでは商材として確実に“売れる”をいいことに詳細なことを勉強せずに取り扱っているところも多々あります。

あるいは要冷蔵しておけばパッケージ化されているので安心。もしくは賞味期限さえ守っていれば大丈夫という予備知識程度で管理しているのが実態です。

さて、それもこれも、消費者に正しく販売することの難しさがナチュラルチーズにはあることが原因のひとつです。 何百種類もあるゆえに限界があるというわけです。

真空パックにされたチーズと小分けされたチーズ、同じなまえでも皮があるないとなった場合やはり皮は食べないほうがいいのだろうかと思うのは、消費者であれば当然の疑問です。

チーズはどうしてもその性質上外側が硬くなるものです。 ちょうど傷口をふさぐ瘡蓋のようなもので、やわらかいものが乾燥してかたくなったり、カビの一種がマクを張って成長するゆえに固まるなどが理由として挙げられます。

この外側のことを外皮と読んだりしますが、中身が熟成していくためには外部からの余計な菌を防いだり、ゆっくりとした酵素の発酵を促進させたりするのになくてはならない部分なのです。

●白カビ系チーズの皮

この外皮はもちろん食べられます。 外が固くすぐに柔らかいチーズの中身が始まります。 製造工程で表皮に産膜酵母という酵母の一種である白カビを散布して発酵熟成していくのです。 乾燥熟成のうちに皮が厚くなってきますが、ブリー系のチーズやブルーブリー、シェーブルのホワイトチーズなどは比較的薄いので食すことも躊躇ないものです。

『シャウルス』や『サンタンドレ』の製品のホワイトチーズの外皮は厚みもあり固いもので躊躇してしまうでしょう。
これは実際に食べるとボソボソ感や苦みあるいは熟成が進みすぎたときの酸味があります。

食すことはできるというだけです。

また、白色から多少赤茶けた度合いの外皮になってしまい食べる気を失うものすらあります。

●青かび系チーズの皮

この種のチーズには外皮がないものもあります。 それはアルミホイルでくるまってしまっているものが多いからです。 ホール状態で一つの商品として完成されてしまった場合、ブルーチーズを形成している青かびの熟成度合いがわからず、食べごろかどうかさえわからないのです。

この理由により青かび系のチーズは大きいものを作ったうえで一旦手ごろな大きさにカットすることがなされます。

しかしカットしてしまうと外気に内部が触れてどんどん熟成や風味に変化が生まれてしまいます。 そのためにフィルムとしてアルミホイルを使い風化を防止します。 このとき外皮は外されますので青かび系のチーズはすべて食べられるというものになります。

もちろんスティルトンやブルー・ド・ジェックス、ゴルゴンゾーラのように中身だけを保護するのではなく硬い外皮を残したものもあります。

これは食べられないことはないのですが、風味が全く異なるものであり、食べるに値しないという考えの方が現地流です。

●シェーブル系チーズの皮

このチーズは青かび系のチーズの種類で、外皮のないものと同様な扱いとされます。 少し異なる点といえばヤギ独特の酸味が発生するためにその酸を中和させるために表面に墨をまぶすということです。

この墨は当然食用ですから食べられます。

そしてこの墨をどかすとブルーチーズ類と同等の滑らかさが見えてきます。

その他、熟成をさせていくと、ホワイトチーズのように白カビが発生し若干外皮ができてくるものもあります。

これにより生じた外皮は食べられるものです。

●ウォッシュ系チーズの皮

この種の外皮に関しては個体差があります。

もともとチーズを作る上でワインやビール、塩などで表面を洗う作業があります。

ゆえに外皮は自然と作られますし、少し固くしながら熟成させていきます。 また外と中の味は全く異なります。

そもそも中の独特の臭みを味わう、とろけるほどの中身の旨みを味わうことを確立したチーズですから、外は食べないという人が多いのも事実です。 食べられないのではなく、味的にウォッシュされた状態の味で苦かったり、渋かったりと人によっては不得手な食感があります。

しかし、ハード系のようにガチガチの固さではないので放射線状にカットしたものであれば食してしまうケースも多々あります。

●セミ、ハード系チーズの皮

このチーズが一番難しいところです。

アメリカやオセアニア系のナチュラルチーズは外皮をカットし、また手ごろな大きさにして真空パックされています。 しかし、真空パックは使い切りというスタンスをもっていますから本来のナチュラルチーズを味わうには大分マイナスです。

生きているという部分を生かした保存はやはり外皮を残すことに意味があるのです。

その点、パルメジャーノやゴーダ、あるいはエメンタールといったヨーロッパでは外皮がなければ存在しないチーズばかりあります。

それらのチーズは特にチーズの特質上、表皮にワックスや油あるいは塩で拭う作業を行い何年もかけて熟成発酵をして固められています。

このためにそもそも、外皮は食べられないという道を形成してしまっているのです。

まして。ミモレットのように表皮に微生物を付着させておく製法で作られるハード系のチーズは食べるのに全く不向きということもあります。

逆に、食せるものもあるということも事実です。

ルブローションやタレッジオのように、表皮がやわらかなチーズや、ウブリアーコのようにワインに染まっている程度の表皮であるチーズは食べることができます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする