日本のチーズについてー生産地ごとに紹介ー



【日本のチーズについてー生産地ごとに紹介ー】

stevepb / Pixabay

今回は生産地別にチーズを紹介していきたいと思います。

酪農農家のチーズ工房や生産の多い大手企業など様々な運営形態で作られている日本のナチュラルチーズ。

全国各地に点在するこの日本のチーズ製造を成立させている条件として、牛や羊に山羊がいればいいというものではありません。

適した環境のほか、製造するまでには広い牧場や餌の管理など手間や経験が必要です。 そうした必要不可欠な条件を満たした工房をざっくりとご紹介して見ます。

●日本の中部域

①八ヶ岳農場

長野県の八ヶ岳にある八ヶ岳中央農業実践大学校にその農場があります。 此処ではフランスで学んだチーズ作りを生かし、セミ・ハード系のチーズの日本版『森の料理人』や『原村』、『諏訪』、『チェダー』を作っています。 少量生産、、自家生産の原料乳を使うことでオリジナリティーを追求、また技術を重ねた長期熟成の製造を行うなど、少量生産にこだわっています。

②清水牧場

同じく長野県にある牧場で、所在地は松本市です。 ウォッシュタイプのチーズとハード系のチーズのほか、羊の乳をつかったチーズ作りまで行っています。 ブラウンスイス牛を広い牧場で飼育してそのミルクを使って作られた10ヶ月の熟成型ハードチーズ『バッカス』などもあります。

③大手メーカー雪印(メグミルク)

山梨県の小淵沢にある小規模製造直販のチーズ工房です。 チーズに関する説明などビデオを通して勉強することができますし、大手メーカーならではのサービスで試食も当然出来るのです。 最大の魅力は数多くの種類のチーズを購入できる点です。

●日本の南地域

①有限会社ダイワファーム

九州地方にも多くチーズ工房があります。その中の宮崎県にあるこの牧場は平成23年の第8回ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストで第3位と優秀賞を受賞しさらに、平成25年度のALL JAPAN コンテストでも優秀賞を受賞したほどの実力のあるチーズ工房です。 フレッシュチーズの代表である『モッツァレラ』をはじめ、ひょうたんのような、フラスコのような形をしたチーズ『カチョカヴァロ』や2ヶ月熟成のセミ・ハードチーズなどが作られています。

②うらけん・由布院チーズ工房

大分県由布市にあります。 九州では珍しいウォッシュタイプのチーズが此処では作られていますが、なんといっても。ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストで、リコッタチーズが優秀賞を取るほどのフレッシュタイプチーズ作りの腕前です。

③阿蘇ミルク牧場

熊本県阿蘇郡にあります。 地震の影響もありましたが、現在では再園販売もしています。 とくに、白カビのヌーシャテルチーズやカマンベールチーズは有名です。 また、羊の生乳で作るフィッセルチーズのような酸味の強さは無いまったく食べやすい白いチーズのフロマージュ・リス(フランスの名前ではフロマージュ・ブラン)はクリームチーズとカッテージチーズの中間的なものでお菓子作りにも使われるそうです。

④ミルン牧場

佐賀県佐賀市にあるこちらの工房は広大な牧草地で自由に草を食べ、こだわり抜いた水を飲み育ったホルスタイン種の牛の乳を使用してチーズが作られています。 モッツァレラや13世紀イタリア北東部モンタージォの修道院で 作り始められたチーズを模した『モンタージオ』というチーズを作っています。

⑤フローマージュ三良坂

広島県三次市でチーズ生産を営むこの工房は珍しい種類、山羊の乳をつかったチーズ作りがメインです。 フランスやスイスでは山のチーズと呼ばれる類の山羊のチーズですが、日本では此処で実際に味わうことが出来ます。 その最大の魅力は、季節を追うごとに山羊の食事が変わること。 野生の草木を食かれらは春先には山菜、春から夏にかけては筍等の新芽やクローバー、秋には栗や柿などといった四季折々の餌を自ら探して食べているのです。

⑥フェルミエ・カドーレ

広島市福富町の上ノ原牧場が運営するこのファームは毎朝夕2回24頭牛から搾乳し750リットルを精製しています。 もちろんその殆どが農協にいきますが、その一部から、カマンベールやゴーダチーズを作っています。少量限定ですが品質にこだわりをもって作っています。

●関東圏

①高秀牧場

生乳生産は全国第3位である千葉県も牧場が多い。 その中でチーズ作りの工房として有名な工房がいすみ市にある高秀牧場です。 微生物を混ぜた独自の飼料でホルスタイン種の牛を育てていますが、その牛から搾った乳を殺菌温度75℃、殺菌時間15秒で行う珍しい殺菌製法で乳を管理しています。 『フロマージュブラン』『モッツアレラ』のフレッシュタイプチーズの他、ホワイトチーズに似た製法の乳酸菌発酵チーズも作っています。

②チーズ工房IKAGAWA

こちらもいすみ市です。 かなり少量のチーズ作りです。それは国内では珍しい、ジャージー種の牛の乳を使っているからです。 頭数も日本では少なく大半は北海道で飼われていますが、千葉県では3頭しかいません。 ここでは、チーズを寝かせるための部屋である岩室を作り、スイスの『ムチュリ』と呼ばれるチーズを作っています。 このチーズはスイスで有名な『エメンタール』をコンパクトにしたぐらいの大きさで、製法もKなり近いものです。しかし、ジャージで作る分とても濃厚なミルクの味わいが出るのです。

③フロマージュKOMAGATA

同じくいすみ市の工房。 ここはチーズ製作暦50年のベテラン職人が一つ一つ丁寧に作っています。 量産は無理ですが種類が多いのです。 千葉県内では珍しい青かびチーズや白カビチーズはもとより、モッツァレラとして『とろけて伸びる生チーズ』やカッテージチーズとして『フレッシュチーズ』を作っています。

④新生酪農株式会社

長生郡睦沢町にある工房があります。 ここでもパスチャライズド牛乳の滅菌方法を採用しています。 なぜこの方法なのかといえば、通常の牛乳は120度前後の高温で瞬間殺菌を行うことで品質保持をしてきました。 しかしこれでは牛乳の中になるたんぱく質や脂肪の成分が変質してしまい、チーズ作りには相当なダメージになり、風味が失われてしまうのです。 それを回避する為に72℃から75℃で低温殺菌することでより生の乳に近い状態をキープさせチーズ作りに生かしているという事になっています。 この新生酪農株式会社では千葉県で唯一『ゴーダチーズ』を作っていて、牛乳と塩が使われています。

⑤今牧場チーズ工房

栃木県は那須地域も有名です。 JALの国際線ファーストクラスの機内食にも使われるほどの実力のあるチーズといえば 今牧場チーズ工房の山羊を使って作られた『茶臼岳』です。ヨーロッパのシェーブルチーズ同様、発酵を抑えさせ、酸味も和らがせる効果のある灰の塗布がよりシェーブルを高級感のある形にみせています。 もちろんその他牛の乳で作られるウォッシュチーズやセミ・ハードチーズもあります。

②チーズ工房那須の森

ここでは乳肉兼用種のブラウンスイスの牛から乳を搾ったチーズが作られています。 イタリアのチーズで有名なひょうたん型の『カチョカバロ』が人気です。

●日本の北側域

最後はなんといっても日本有数のチーズ製造を担う県。 北海道です。

ここだけで、70から80社は存在するといわれています。 全部は掲載が出来ないのでその地域と名前だけでも紹介します。

  • 北海道広尾郡のアグリスクラム北海道 大樹工場
  • 北海道天塩郡のあぐりネット宗谷(株)工房レティエ
  • 北海道紋別郡の有限会社アドナイ
  • 北海道標津郡の乾牧場
  • 北海道砂川市の岩瀬牧場
  • 北海道河東郡の鹿追チーズ工房
  • 北海道厚岸郡の(株)おおともチーズ工房
  • 北海道上川郡の押田牧場 食彩工房
  • 北海道天塩郡の(有)カーフ愛
  • 北海道帯広市の香林農園
  • 北海道野付郡の河崎牧場チーズ工房
  • 北海道根室市の小野寺牧場
  • 北海道上川郡の(農)共働学舎 新得農場
  • 北海道亀田郡の久保田牧場チーズ研究所
  • 北海道旭川市のクリーマリー農夢
  • 北海道岩内郡の(株)クレイル
  • 北海道滝川市の(株)クレストジャパン
  • 北海道寿都郡の黒松内町特産物手づくり加工センター
  • 北海道紋別郡の工房シーサックル
  • 北海道茅部郡の(株)駒ケ岳牛乳
  • 北海道河西郡のさらべつチーズ工房
  • 北海道標津郡の三友牧場 チーズ工房
  • 北海道河東郡の士幌町食品加工研修センター
  • 北海道砂川市の岩瀬牧場

北海道で作られるチーズ。 その実力はチーズに最適な気候管理に恵まれていることに裏づけされています。 どの牧場でもその敷地が広いことで牛にストレス無く飼育できますし、牧草や肥料といった面でも他の作物からでた大量の餌が入手しやすいという点があります。 この管理面が安定しているおかげで多くの乳が搾乳できますし、結果多様なナチュラルチーズが作れるわけです。

フレッシュチーズはもとより、ハード、セミハード、ブルーに白カビなどどれもが製造可能です。 ですが、フランス等、本場そっくりのものが出来るというわけにはいきません。

微妙な環境変化に生き物であるチーズは作用します。 きのこの産地が異なると味や匂い等の風味が異なるのと同じで、菌がもたらす熟成は難しいのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする