ヤギのチーズ(シェーブルチーズ)-牛以外のチーズ-



【ヤギのチーズ(シェーブルチーズ) ―牛以外のチーズ―】

PDPhotos / Pixabay

●牛乳がチーズ作りに使われる理由

牛の乳がチーズの原料としてよく使われる一番の理由として、乳を出す構造の違いがあげられます。牛は搾乳量も多く、栄養価も豊富です。 まず牛以外もふくめ、広く生き物を考えますと、様々な生物がいる中で、哺乳類に限定して全て乳は出るといえます。 ただし、チーズを作っていく工程で製品になるにつれ、乳自体どんどんその容量が減っていってしまいます。 哺乳類の中にはチーズには不向きという乳の性質すらあります。 つまり構成上の弱点があるのです。 チーズになれる成分の量が取れなければチーズの生産数もあがらないわけです。

●牛の「乳漕」

実は牛の乳にはほかの哺乳類と大きく異なる部分があります。乳漕と呼ばれるタンクです。 この乳漕とは乳汁を一時的に貯めておく所です。 そのため、牛はほかの動物に比べて搾乳量が多いというメリットがあります。 豚や馬などから作るチーズは甘くておいしいといですが、搾乳量が少ないというデメリットがあります。それは乳槽のような構造を持たない動物だからです。

個体差はありますが一回の搾乳できる量を見ると、牛は約30キロあります。 豚などは1.5キロほどです。 馬なら0.2キロ、人に至っては更に少なく0.05キロです。

これでは頭数を増やさない限り牛と同じだけの量は取れませんし効率も悪いばかりです。 モンゴルの『クーミス』のように一部馬の乳から作るチーズもありますがあくまでも部族間での保存食として作られるのみで流通性はありません。

●牛乳の成分

チーズに適した乳は、カゼインと呼ばれるたんぱく質の成分を多く含んだものです。このカゼインは生物細胞を成長させる物質のひとつです。 また、乳の中にはその他のたんぱく質があります。それは水溶性たんぱく質のアルブミンです。こちらは細胞の働きを助ける役割です。つまりは細胞の自立を促すことがメインです。 アルブミンが多い哺乳類は馬や豚や人間、犬猫が主だったその成分保持者です。 カゼインが多いのが水牛、牛、ヤギ、ヒツジ、トナカイなどです。

カゼインはレンネットなどで固まりやすいので、牛類はチーズの原料として適しているのです。 アルブミンを多く含む乳では乳糖が多く熟成時カビを発生させたり、腐敗を招いたりという要因になりかねないので不向きということもあるのです。

●脂肪分

チーズ作りには、原料に含まれる脂肪分も重要です。 チーズの固形部分、カードの大きさにも関わります。牛類の中でも水牛や山羊、ヒツジは牛乳よりも脂肪分が多いので少ない乳でも大きなカードができるのです。

●山羊のチーズ

牛以外のチーズですでにステータスが築かれ、多くのファンがいるチーズがこのヤギチーズ「シェーブルチーズ」です。 その乳には独特の酸味が多く含まれているのでチーズ自体にもその味が反映されています。

賞味期限が短いのも特徴で、風味や酸化を防ぐ為に炭を表面にまぶしてあったりします。

形状は台形であったり筒形です。 あまり大きなチーズにならないのは量が少ないからだけではなく、チーズの性質上大きなものには適さないからです。

あるこのチーズはセミハード・ハードより柔らかめのチーズのほうが多いのも特徴です。

山羊のチーズ作りはフランスが一番でその数はかなりありますがもちろんイタリアにもおいしいチーズがあります。

「カプラリッカ」

ヴェネト州の山で作られる山羊のチーズです。

特徴としては柔らかいふんわりとした白カビで覆われていて中も柔らかくきめ細かさがあり味わいが甘いチーズです。最低でも15日間寝かされて作られるそうです。

「カプリーノ ピッコロ」

円錐形の小型のチーズ。シェーブルは大きくないのが特徴ですがこのチーズなどはまさにその代表ともいえます。

作り方としては低温殺菌されたものでカードが作られて長時間寝かされることで熟成が進み酸味が増しています。

おそらく山羊という場合のヨーグルトにも似た独特のすっぱさが際立っているといえます。

「ロビオラ・ラ・ロッサ」

ブランディーに浸された桜の葉に包まれたチーズ。

シェーブルのチーズは形がくずれやすいことと、外皮が痛みやすいことからよく葉っぱにくるまれていることがあります。

イタリアのピエモンテ州で作られるこのチーズもご他聞にもれず葉にくるまれています。

ベリーと軽いバターの香りがあります。塩味もよく酸味が多いのでサラダのドレッシング代わりにつかうケースが多いです。

「ロビオラ ディ ロッカヴェラーノ」

アスティあるいはアレッサンドリアの州で作られるチーズです。

これは出荷までの期間が短いことで知られています。大体4~10日で完成です。

フレッシュタイプのチーズがようやく固まりチーズっぽくなったときに出荷というわけです。

またイタリアでは200年も前から同じ製法でこのチーズを作っているといわれるほど歴史あるチーズです。

ヨーグルトのような酸味と若草とヘーゼルナッツのような香りがします。刺激的なこのチーズがイタリアのシェーブルを代表しているといえます。

その他番外ですが牛系のチーズです。

●水牛のチーズ

イタリアで作られるモッツアレラ『ブッファラ』のフレッシュチーズが有名でこれ以外の乳で作ったものは代用という考え方がイタリアでは当たり前です。

牛との違いといえば鮮やかな白色に鉄分・ビタミン類・乳糖が牛に比べて多いのが特徴です。

●羊のチーズ

牛よりも脂肪分やタンパク質などの成分が多く含まれる反面量が少なく、独特の風味があります。イタリアの『ペコリーノ』が有名です。

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